結論:全部を一人で抱える前提を、まず外す
広告もSNSもサイト更新も、気づけば一人か兼任で抱えていて手が回らない。人を増やせればいいが、すぐには難しい。そんなときにまず見直したいのは、作業の速さそのものよりも「今ある業務を全部やりきる」という前提のほうです。手が足りないと感じるとき、足りないのは人数だけでなく、やることの絞り込みであることが少なくありません。
この記事では、人手不足の中身を「やめる・減らす・仕組み化する・頼る」の四つに分けて整理し、今の人数のまま回すための優先度のつけ方までをまとめます。増員や外注も、条件が合えば妥当な選択肢として最後に触れます。
「人手不足」を四つに分けてみる
手が回らない状態をひとまとめに「人手不足」と呼ぶと、打ち手が「増員」しか見えなくなりがちです。中身を分けると、増やす以外の手も見えてきます。
- やめる:成果とのつながりが薄いまま続けている作業を、思い切って止める
- 減らす:頻度や範囲を下げる(毎週を隔週に、全項目を主要項目だけに)
- 仕組み化する:毎回考えて手を動かしている作業を、型や手順にして迷いを減らす
- 頼る:社内の他の人や外部に、一部だけ持ってもらう
四つのうち、増員に近いのは最後の「頼る」だけです。残る三つは、今いる人数のままでも着手できます。まず前の三つを見てから頼るかを考えると、抱え込みが整理しやすくなります。
やめる・減らすから先に考える
手が足りないときほど、新しい効率化ツールを入れる前に、いま何に時間を使っているかを一度書き出してみると見通しが立ちます。そのうえで、成果につながっている実感の薄い作業から、やめる・減らすを検討します。
たとえば、誰も見ていない定例レポートの一部項目、反応の乏しい発信チャネル、惰性で続けている更新頻度などです。やめる判断は勇気がいりますが、空いた時間を成果に近い作業へ寄せるための、いちばん手前の一手になります。いきなり全部を止める必要はなく、影響の小さいところから一つずつ外して様子を見れば十分です。
優先度は「成果への近さ」と「頻度」で決める
やめる・減らすを考えるとき、判断の物差しがないと迷います。目安になるのは、その作業が成果にどれだけ近いか、そしてどれくらいの頻度で発生するかの二つです。
- 成果に近く、頻度も高い作業:ここに時間を寄せる。人手が限られるほど、まずここを守る
- 成果に近いが、頻度は低い作業:型や手順を用意しておき、発生時に迷わず片づけられるようにする
- 成果から遠く、頻度が高い作業:減らす・仕組み化するの最有力候補
- 成果から遠く、頻度も低い作業:やめるかどうかを一度検討する
成果への近さは厳密に測れなくても、「これは問い合わせや売上につながっている実感があるか」という程度で分けられれば、優先度の起点はつくれます。
頻度の低い作業ほど「型」にしておく
少人数で回すうえで負担になりやすいのが、たまにしか発生しないのに毎回ゼロから考える作業です。月次の報告、季節ごとのキャンペーン準備、問い合わせ対応の文面などは、一度手順や雛形にしておくと、次に発生したときの負担が下がります。
一人に集めすぎない最小の備え
手が足りないと、詳しい一人に業務が集まりがちです。ただ、それが進むと、その人が休んだり抜けたりしたときに回らなくなる、という別の課題が生まれます。人を増やせない状況でも、これは小さな備えで和らげられます。
大がかりな引き継ぎ資料をつくる必要はありません。「どのデータがどこにあるか」「その作業をなぜそうしているか」を、短いメモでいいので残しておくだけでも、いざというときの立て直しは変わります。やめる・減らす・仕組み化を進める過程で出てくる判断の理由を、あわせて書き留めておくと、それがそのまま属人化を防ぐ材料になります。
それでも足りないとき:増やす・頼るの使いどころ
やめる・減らす・仕組み化を進めても、成果に近い作業だけで手一杯なら、そこで初めて「増やす・頼る」を検討する順番になります。増員も、外部への委託も、状況が合えば妥当な選択です。どちらが正しいという話ではなく、何をどれだけ持ってほしいかで選び方が変わります。
外部に頼る場合も、運用を丸ごと預ける「代行」と、一緒に手を動かしながら社内でも扱えるようにしていく「伴走」は分けて考えられます。人手が限られていて、かつ社内にもある程度ノウハウを残したいなら、必要な部分だけを伴走で持ってもらう形が合うこともあります。近年はAIを使って、散らばった数字を一つの画面にまとめるなど、把握や引き継ぎの手間を下げる範囲も広がってきました。もちろん、まずは今の体制のままやめる・減らすを進めるだけで足りることもあります。費用や進め方は状況によって変わるため、現状を見てもらったうえで相談するのが現実的です。
まとめ
マーケティングの人手不足は、人数だけの問題として見ると打ち手が増員に絞られてしまいます。中身を「やめる・減らす・仕組み化する・頼る」に分けると、今の人数のままでも着手できる手が見えてきます。成果への近さと頻度で優先度をつけ、成果に近い作業に時間を寄せる。頻度の低い作業は型にしておく。判断の理由を短く残して一人に集めすぎない。そのうえで足りなければ、増やす・頼るを状況に合わせて選べば十分です。
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