期待して入れてみたAIツールが、気づけば開かなくなっている。最初の数日は触っていたのに、いつのまにか元のやり方に戻っていた——そういう経験は、私自身にも何度もあります。うまくいかなかった原因が自分の努力不足に思えて、少し落ち込むこともよく分かります。
先に、いま感じていることを書いておきます。定着しないのは根気の問題であることは少なくて、たいていは「何のために入れたか」が最初にぼんやりしていた、というだけのことが多いです。ツールの良し悪しより手前に、自分の側の「これをこうしたい」がどれだけはっきりしていたか。そこを振り返ると、原因が見えてくることが多いように思います。
「続かなかった自分」を責めなくていい
最初にお伝えしたいのは、使わなくなったこと自体は失敗ではない、ということです。新しい道具を試して、合わなければ元に戻す。それはむしろ自然な反応で、無理に使い続けるほうが業務にとってはよくないこともあります。
ただ、「自分は続けられない人間だ」と結論づけてしまうと、次に何を試しても同じ気持ちを引きずってしまいます。続かなかったのは意志の弱さではなく、道具と自分の困りごとがうまく噛み合っていなかっただけ——そう切り分けるところから始めたほうが、次につながりやすいと感じています。
定着しないときに、私が見ている点
難しい分析をしなくても振り返れる範囲で、私が見ている点をいくつか挙げてみます。
一つ目は、解きたい困りごとが具体的だったかです。「便利そうだから」「話題だから」で入れたときほど、続きにくい印象があります。逆に「この転記作業が毎週30分かかっていて減らしたい」のように困りごとが具体的だと、ツールがそこに効いているかを自分で判断でき、続ける理由がはっきりします。
二つ目は、既存の業務の流れに無理なく差し込めたかです。どんなに良い道具でも、使うために別のアプリを毎回開き直したり、手順が一つ増えたりすると、忙しい日にはどうしても後回しになります。今のやり方の中に自然に入るかどうかは、続くかどうかを大きく左右します。
三つ目は、最初から欲張りすぎていなかったかです。一気に業務全体を任せようとすると、少しでもうまくいかない部分が出た時点で「やっぱり駄目だ」となりがちです。まずは一つの小さな作業だけ置き換えてみて、それが馴染んでから範囲を広げる。そのくらいのほうが、結果的に長く残ります。
結局は「何をどうしたいか」に戻る
いくつか点を挙げましたが、根っこは同じところにあると感じています。ツールを先に決めて「これで何ができるか」を探すのではなく、「日々の中でこれをこうしたい」が先にあって、それに合う道具を後から選ぶ。順番がこの向きだと、定着するかどうかを自分の基準で測れます。逆の順番だと、どんなツールも「思ったほどではなかった」で終わりやすくなります。
もう一つ、正直に思っていることがあります。仕組みを少しずつ知っていくほど、この見極めは楽になります。そのツールが裏で何をしているのか、自分のデータがどこにあるのか。全部を理解する必要はありませんが、必要になった順に分かる範囲が増えると、「なぜ噛み合わなかったか」に自分で気づけるようになります。定着しなかった経験も、その手がかりとして残しておくと、次の一歩がずいぶん軽くなります。
まとめ
入れたAIが定着しなかったのは、多くの場合あなたの根気の問題ではありません。解きたい困りごとが具体的だったか、今の業務の流れに無理なく入ったか、最初から欲張りすぎなかったか。この辺りを落ち着いて振り返れば、次に試すときの精度は上がります。そして最後はやはり、自分の「これをこうしたい」に立ち返ること。合わなかった道具は戻していい。その経験自体が、次に合うものを選ぶための材料になります。
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