結論:最初は施策より「現状を知ること」から

マーケ担当になったばかりの頃は、「早く成果を出さないと」という気持ちから、いきなり広告やSNSの施策に手をつけたくなるかもしれません。ただ、今どうなっているかが分からないまま施策から入ると、効果があったのかどうかも判断できず、手応えのないまま時間だけが過ぎてしまうことがあります。最初にやることは、新しい施策を打つことではなく、いまの状態を知ることです。

この記事では、新人・中途でマーケ担当になったばかりの方に向けて、最初の30日をどう使うと足場が固まるかを、現状把握・数字の置き場所・優先順位づけの順で整理します。特別なスキルがなくても着手できる範囲の話です。

ステップ1:いま何があるかを棚卸しする

まずは、自社がすでに持っているものを一覧にするところから始めます。ゼロから作るより、あるものを把握するほうが早く、抜けにも気づけます。次のようなものが対象です。

  • 使っているツール・アカウント:広告アカウント、GA4などの分析ツール、SNS、メール配信など。ログインできるか、誰が管理しているかも確認する。
  • 過去の資料・数値:これまでのレポート、施策の記録、前任者の引き継ぎメモ。残っていれば目を通す。
  • 定例で動いているもの:毎月出しているレポート、定期投稿、繰り返しの作業。止められないものを把握しておく。

この段階では、良し悪しを判断する必要はありません。「何があって、何が動いているか」を見えるようにするのが目的です。前任者がいない、資料が残っていないというケースも珍しくありませんが、その場合は「今なかった」という事実自体が把握のひとつになります。

ステップ2:数字の「置き場所」を確認する

次に、判断の材料になる数字がどこにあるかを確認します。マーケの仕事は、感覚だけでなく数字を見て進める場面が多く、その数字がどこを見れば分かるのかを最初に押さえておくと、後の作業がぐっと楽になります。

いきなり細かい分析をする必要はありません。まずは「アクセス数はここで見る」「広告の費用はここで分かる」「問い合わせ件数はここに記録されている」という、数字と置き場所の対応をメモしておくだけで十分です。数字の見方が分からない項目があっても、この時点では「ここに何かの数字がある」と分かっていれば足ります。

ポイント:最初から全部の数字を理解しようとしなくて構いません。「どこを見れば分かるか」の地図を先に作っておくと、必要になったときにすぐたどれます。

ステップ3:やることに優先順位をつける

現状が見えてくると、気になる点や改善したいことがいくつも出てきます。ここで全部に一度に手をつけようとすると、どれも中途半端になりやすいため、順番をつけて一つずつ進めます。優先順位は、次の2つの軸で考えると整理しやすくなります。

  • 影響の大きさ:直せば効果が見えやすいか、それとも細かい改善か。
  • 着手のしやすさ:自分だけで進められるか、他の人の確認や準備が要るか。

まずは「影響が大きく、着手しやすいもの」を一つ選んで進めると、早い段階で手応えが得られます。逆に、影響は大きいが準備が必要なものは、いつ・誰と進めるかを決めて予定に入れておく。すべてを頭の中に抱えず、書き出して並べ替えるだけでも、次に何をやればいいかがはっきりします。

🙋
未経験でマーケ担当になりました。数字の分析もまだ自信がないのですが、最初の30日で何を優先すればいいですか。
FW
最初は分析そのものより、棚卸しと数字の置き場所の確認を優先すると足場が固まりやすいです。分析の深掘りは、どこに何があるかが見えてから少しずつで問題ありません。

やり方を「記録として残す」と後が楽になる

棚卸しの結果や、数字の置き場所、決めた優先順位は、自分の頭の中だけでなく、後から見返せる形で残しておくことをおすすめします。メモでも表でも構いません。記録が残っていると、翌月の自分が振り返りやすくなり、いずれ担当が変わるときの引き継ぎもスムーズになります。

マーケの仕事は、一度やって終わりではなく、見て・直して・また見る、の繰り返しになる場面が多くあります。だからこそ、最初に作った「現状の地図」が残っているほど、次のサイクルが回しやすくなります。

私たちがサポートする場合の考え方

私たちが新しくマーケ担当になった方のお手伝いをする場合も、いきなり新しい施策を提案するのではなく、まず現状を一緒に棚卸しして、数字がどこにあるかを見えるようにするところから始めることを意識しています。一人で抱え込まず、分からないところは分からないままにせず一緒に整理していく。そうして残した記録が、特定の人にしか分からない状態になりにくくする土台にもなります。

まとめ

マーケ担当になったばかりのときは、施策を急ぐより、まず現状を知ることから始めると足場が固まります。進め方は、①いま何があるかを棚卸しする→②数字の置き場所を確認する→③やることに優先順位をつける、の順です。数字の細かい分析や新しい施策は、この地図ができてからで遅くありません。そして、把握したことを記録として残しておくと、次の月の自分や引き継ぎの場面で楽になります。最初の30日は、動かすより見えるようにする期間だと考えると、無理なく始めやすくなります。