マーケティングダッシュボードの費用の考え方

結論:費用は「ツールの利用料」と「つなぐ・作る手間」の二階建て

広告の費用対効果、サイトへの訪問数、問い合わせ件数。それぞれ別の管理画面にログインして数字を書き写している、という状態はよくあります。1画面にまとめたいと考えて調べ始めると、無料でできるという話と、それなりの金額がかかるという話の両方が出てきて、相場がつかめなくなります。

マーケティングダッシュボードの費用は、表示するツールの利用料と、データをつないで画面を組み立てる手間の二階建てで決まります。相場が見えにくいのは、後者が「何と何をつなぐか」で大きく変わるためです。金額の話に入る前に、費用が何に対して発生しているのかを分けて考えると、見積もりの読み方が変わってきます。

マーケティングダッシュボードとは何か

マーケティングダッシュボードは、複数のサービスに散らばっている数値を集めて、ひとつの画面に並べて見られるようにしたものです。広告の管理画面、アクセス解析、フォームの送信記録、場合によっては受注データまで、見たいものが別々の場所にあるという前提から出発しています。

役割は大きく二つです。ひとつは、毎月の手作業(各画面から数字を拾って表計算にまとめる作業)をなくすこと。もうひとつは、広告費と問い合わせ数のように、本来は並べて見たい数値を同じ画面に置くことです。逆に言えば、見る数値が一種類しかない場合や、担当者が一人で毎回同じ画面だけを見ている場合は、わざわざ作らなくても足りることがあります。

費用の内訳を三つに分けて考える

見積もりを見るときは、次の三つのどれに対する金額なのかを分けて読むと分かりやすくなります。

1. 画面を表示するツールの利用料

グラフや表を並べて見せる部分です。無料で使えるものもあり、代表的なものにGoogleのLooker Studioがあります。有料のBIツールは、閲覧できる人数や機能に応じて課金される形が一般的です。ここは公開されている料金体系なので、比較的調べやすい部分でもあります。

2. データを取り出して運ぶ部分

広告やアクセス解析の数値を、表示用のツールに自動で流し込む部分です。つなぎ先が公式に対応していれば追加費用なしで済むこともありますが、対応していないサービスや、複数の媒体をまとめて扱いたい場合は、専用の連携サービスを使うか、個別に作ることになります。金額の差が一番出やすいのがこの部分です。

3. 設計と構築の手間

どの数値をどう並べるか決めて、実際に画面を組み立てる作業です。既存のひな形を使って項目を差し替えるだけなら短く済み、事業ごとの独自の指標を計算して出す場合は長くなります。ここは人が動く部分なので、要件が固まっていないほど幅が広がります。

ポイント:「ダッシュボードの費用」と一括りにせず、①表示ツール ②データ連携 ③設計・構築、のどこにいくらかかっているのかを分けて確認する。

金額が変わる主な要因

同じ「ダッシュボードを作る」でも、条件によって手間はかなり変わります。見積もりを依頼する前に、次の点を自分の側で整理しておくと、話が早くなります。

  • つなぐデータ元の数:広告媒体が1つか、複数媒体とアクセス解析と受注データまで含むのかで、作業量が変わります。
  • 更新の頻度:毎日自動で更新するのか、月次でまとめて見られれば足りるのか。
  • 加工の複雑さ:媒体の数値をそのまま並べるのか、社内独自の計算(媒体をまたいだ集計や、原価を差し引いた指標など)を挟むのか。
  • 見る人の範囲:担当者だけが見るのか、経営層や外部の関係者にも共有するのか。ツールによっては閲覧人数が料金に関わります。

特に三つ目は、後から追加になりやすい部分です。「まずは並べるだけ」で始めて、運用しながら必要な指標を足していく進め方もあります。

見積もりを比べるときに確認したい四点

複数社から見積もりを取ったとき、総額だけを並べても比較になりにくいことがあります。次の四点をそろえて聞くと、条件の違いが見えやすくなります。

  1. 初期費用と月額の切り分け:構築の一回きりの費用と、毎月かかる費用がそれぞれいくらか。月額の中身(ツール利用料なのか、運用の手間賃なのか)も確認します。
  2. データ元を追加したときの扱い:後から媒体を1つ増やす場合、追加費用が発生するのか、含まれているのか。
  3. 契約が終わったあとどうなるか:ダッシュボード自体が見られなくなるのか、データや設定が手元に残るのか。ここは事前に確認しておくと、後の選択肢が変わります。
  4. 直したいときに誰が触るのか:項目を1つ足したいとき、自社で変更できるのか、都度依頼が必要なのか。
🙋
まず何から相談すればいいのか分かりません。要件を決めてから依頼すべきでしょうか。
FW
決まっていなくて構いません。今どの画面から何の数字を拾っているか、その作業に毎月どのくらい時間がかかっているかが分かれば、話を始められます。

よくある疑問

無料のツールだけで作れませんか?

作れる場合もあります。見たいデータが公式に連携できるサービスの範囲に収まっていて、画面の設計を自分で行えるなら、表示ツールの費用をかけずに始められることがあります。費用が発生しやすいのは、公式の連携では届かないデータを扱うときと、画面を作る作業を外に任せるときです。

作ったあとは費用がかからなくなりますか?

完全にゼロになるとは限りません。連携サービスを使っている場合はその利用料が続きますし、媒体側の仕様変更で数値が取れなくなり、手直しが必要になることもあります。作って終わりではなく、動き続けるものだという前提で見ておくと、後の見込み違いが減ります。

表計算ソフトでのまとめと、どちらがいいですか?

見る数値が少なく、更新も月に一度で足りるなら、表計算ソフトのままで問題ないこともあります。判断の目安になるのは、その作業にかかっている時間と、転記の間違いが起きているかどうかです。毎月の集計に時間がかかっている、数字が合わずに確認し直している、という状況が続いているなら、自動化を検討する材料になります。

まとめ

マーケティングダッシュボードの費用は、表示ツールの利用料、データを運ぶ部分、設計と構築の手間に分けて考えると読み解きやすくなります。相場が一つに定まらないのは、つなぐデータ元の数や加工の複雑さで作業量が変わるためです。見積もりを比べるときは総額だけでなく、初期と月額の切り分け、データ元を追加したときの扱い、契約終了後にどうなるか、修正を誰が行うのかをそろえて確認してみてください。何を見たいのかが定まっていない段階でも、今の集計作業の中身を伝えられれば、必要な規模の見当はつけられます。

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