結論:費用は「作業の難しさ」より「依頼のやり取りの量」で膨らみやすい
営業時間の表記を直したい、お知らせを1本追加したい。作業そのものは数分で済みそうな内容でも、自社で触れないため制作会社に依頼することになり、そのたびに見積もりが出る。この繰り返しに疑問が出てくるのは自然なことです。
更新依頼の費用は、実際の作業時間だけで決まっているわけではありません。どこをどう直すかを確認し、対象のページを特定し、直したものを見てもらい、修正があればもう一往復する。この一連の手間が1件ごとに発生するため、小さな依頼を何度も出すほど単価は割高に感じられます。逆に言えば、依頼のまとめ方と役割分担を変えると、同じ作業量でも費用の出方は変わります。
自分で更新できないのはなぜ起きるのか
「触れない」の中身は、大きく3通りに分かれます。どれに当てはまるかで打ち手が変わるので、まずここを確かめます。
1. 更新できる作り方になっていない
HTMLファイルを直接書いて公開する形で作られたサイトは、管理画面そのものが存在しません。文字を1行変えるにもファイルを編集してサーバーへ上げる作業が必要で、制作した側でないと手を出しにくい構造です。WordPressのようなCMSで作られていても、お知らせ以外のページがテンプレートに直接書き込まれていて、管理画面から編集できないことがあります。
2. 管理画面はあるが、入り方も操作も分からない
ログイン情報が引き継がれていない、担当者が退職して誰も場所を知らない、というケースは珍しくありません。この場合に必要なのは制作作業ではなく、管理画面の引き渡しと最低限の操作説明です。
3. 触ると壊れそうで手が出ない
編集画面までは開けるものの、レイアウトが崩れたら戻せないという不安から止まっている状態です。実際に、どのブロックを触ると全体に影響するかは作り方によって違うため、この慎重さ自体は妥当な判断でもあります。
更新依頼の費用は何で決まるか
見積もりの内訳は会社によって書き方が違いますが、費用が動く要素は概ね次の3つです。
作業そのものの内容
文章や写真の差し替えのように、既にある枠の中身を入れ替える作業と、新しいページを1枚起こす作業、フォームの項目を増やす作業では、必要な工程が変わります。表示を確認する端末の数(パソコン・スマートフォン)も工程に含まれます。
確認とやり取りの手間
依頼内容が固まっていない状態から始まると、何をどう直すかを詰める段階に時間がかかります。文言が後から変わる、対象ページが増える、といった往復も同じです。作業時間が短い依頼ほど、この部分の比重が大きくなります。
契約の形
都度依頼して1件ごとに見積もりを出す形、月額の保守契約に一定の作業量を含める形、時間単位で買っておいて使った分を消費する形があります。同じ内容の更新でも、どの形で頼んでいるかによって1件あたりの見え方は変わります。年に数回しか更新しないのか、月に何度も直すのかで、どの形が向くかも変わってきます。
自分でやる範囲と、お願いする範囲を分ける
すべてを内製する必要はありませんし、すべてを外に出す必要もありません。線を引く目安として、次のように分ける考え方があります。
- 自社で持てることが多い作業:お知らせやブログの投稿、既にある文章の差し替え、写真の入れ替え、営業時間や電話番号といった情報の更新。
- 相談したほうが安全な作業:テンプレートやレイアウトの構造に関わる変更、フォームの項目や送信先の変更、プラグインやサーバーの更新、独自ドメインやSSLの設定。
後者は、失敗したときの影響がページ1枚に収まらず、サイト全体や問い合わせの受信に及ぶ範囲です。ここを線引きの基準にすると判断しやすくなります。
依頼するときに費用がぶれにくい伝え方
依頼の粒度をそろえるだけでも、見積もりの往復は減ります。次の4点を添えると、確認のやり取りが短くなります。
- 対象のURLを列挙する:「会社概要のページ」ではなく、実際のアドレスを並べる。
- 変更前と変更後の文言をそのまま渡す:修正の意図を説明するより、確定した文章を渡したほうが早く固まります。
- 希望時期を幅で伝える:いつまでに公開したいか、動かせる余地があるかを添える。
- 細かい修正はまとめて出す:思いついた順に1件ずつ送るより、ある程度ためて1回で依頼するほうが、確認の往復が1回で済みます。
加えて、今後どのくらいの頻度で更新が出そうかを伝えておくと、都度依頼と保守契約のどちらが向くかも一緒に相談できます。
よくある疑問
小さな修正のたびに見積もりが出るのは普通ですか
都度依頼の契約であれば、1件ごとに金額を確認する形は一般的です。頻度が上がってきた場合に、まとめて依頼する形や保守契約に切り替える相談をするのは、こちらから持ち出して構わない話です。
更新を自分でできるようにしてほしい、と頼めますか
頼める内容です。ただし、実現の仕方は今のサイトの作りによって変わります。管理画面から編集できる箇所を増やす調整で済むのか、編集を前提とした作り方に直す必要があるのか、まず現状を確認するところから始まります。
月額の保守契約には入ったほうがいいですか
更新の頻度と、止まったときの困り具合で判断が分かれます。年に数回しか触らないサイトなら都度依頼のほうが総額を抑えられることもありますし、毎月更新があるなら含みで持つほうが管理しやすくなります。契約に何が含まれるのか(作業時間の上限、サーバーやプラグインの更新、障害時の対応)を確認したうえで比べるのが確実です。
他社に作ってもらったサイトでも更新を依頼できますか
依頼自体は可能なことが多いですが、作りを把握するための確認が最初に必要になります。管理画面のログイン情報、サーバーの契約先、ドメインの管理先が分かる状態にしておくと、話が早く進みます。
まとめ
「自分で更新できない」には、更新できる作りになっていない場合と、管理画面はあるが引き渡しや説明が足りていない場合があります。後者なら、作り直さずに解消できる余地があります。費用の面では、作業内容そのものよりも確認のやり取りが積み上がって割高に感じられていることが多いため、依頼をまとめる、確定した文言を渡す、自社で持てる範囲を決める、といった運用の工夫で出方が変わります。更新の頻度が見えてきたら、都度依頼と保守契約のどちらが実態に合うかを相談してみるのも一つの手です。
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