結論:集める・そろえる・並べるまでは任せられる。読み取りと判断は残る
毎月の広告レポートを手作業で作っていると、数値をコピーして表に貼り、単位をそろえ、前月と比べ、コメントを書く、という流れに数時間から一日かかることがあります。この作業をまるごと機械に任せられるのかというと、そこは分かれます。
レポート作りのうち、各媒体から数値を集める・形式をそろえる・決まった見た目で並べる、の3つは自動化に向いています。一方、その数値が何を意味していて次に何をするかを決める部分は、人の側に残ります。どこまで任せるかを決めるには、まずレポート作成という作業を工程に分けて考えると判断しやすくなります。
「レポートの自動化」が指している範囲
ひとくちに自動化といっても、指しているものが人によって違うことがあります。作業を分解すると、おおよそ次の4工程です。
- 収集:広告媒体や解析ツールから数値を取り出す
- 整形:媒体ごとにばらばらな項目名・期間・通貨単位をそろえる
- 表示:決まった表やグラフの形に並べ、定期的に更新する
- 解釈:増減の理由を読み取り、次の打ち手を決める
一般に「レポート自動化」と呼ばれているのは1〜3までです。4を含めて期待していると、導入後に「思っていたのと違う」となりやすいところです。
任せやすい3つの工程
1. 数値の収集
複数の広告媒体と解析ツールを併用していると、管理画面を順番に開いて数値を書き写す作業が発生します。ここは各サービスが提供している連携の仕組みを使って自動で取得できる部分で、媒体が増えるほど手作業との差が開きます。
2. 項目や単位をそろえる
媒体によって、同じ意味の指標でも名称が違ったり、集計期間の区切り方や税の扱いが異なったりします。毎月ここで手が止まるようなら、そろえ方のルールを一度決めて仕組みに埋め込んでおくと、以後は繰り返しになりません。
3. 表示と定期更新
決まったレイアウトで表やグラフを並べ、指定の間隔で最新化する部分です。画面を開けば今の数値が見える状態にする、あるいは決まった曜日に自動で共有する、といった形になります。
自動化しにくい部分
数値が動いた理由の説明
「先月より問い合わせが減った」という事実は自動で出せますが、その原因が競合の出稿なのか、季節的なものなのか、サイト側の変更なのかは、状況を知っている人が判断する領域です。仕組みができるのは、判断に必要な材料を早くそろえるところまでです。
媒体側の仕様変更への追随
広告媒体の管理画面や指標の定義は変わることがあります。変わったときに、つなぎ込みや集計ルールを見直す作業は残ります。作って終わりではなく、手直しが前提の仕組みだと考えておくほうが実態に近くなります。
そもそも取れていない数値
問い合わせ完了の計測が入っていない、電話での反響が記録されていない、といった場合、自動化してもその数値は出てきません。この場合はレポートの前に計測側の整備が先になります。
どこまでやるかを決める4つの確認点
範囲を決めずに始めると、作り込みすぎて維持できなくなることがあります。次の順で整理すると、必要な範囲が見えやすくなります。
- 誰が読むか:経営者が全体を把握するためのものか、担当者が日々の調整に使うものか。読み手が変われば載せる指標も変わります。
- どの数値を毎回見ているか:直近数か月のレポートを見返し、実際に会話に出た指標だけを残します。
- どのくらいの頻度で見るか:月1回で足りるのか、週次や日次で追う必要があるのか。頻度が高いほど自動化の効き目が大きくなります。
- 数値が取れている状態か:計測が入っていない指標があれば、そちらの整備が先になります。
よくある疑問
専用のツールを入れないとできませんか
表計算ソフトの機能や、無料で使える可視化ツールでも一定の範囲は組めます。媒体の数が少なく、見る指標も限られているなら、そこから始めても不都合が出ないことがあります。扱う媒体やアカウントが増えたときに、あらためて仕組みを見直す形でも進められます。
自動化すると人の作業はなくなりますか
集計と更新の手間は減りますが、数値を読んで次を決める作業と、仕組みの手直しは残ります。人の作業がゼロになる前提で計画すると、運用が始まってから合わなくなることがあります。
途中まで手作業が残っていても意味はありますか
毎回発生している工程のうち、時間のかかっている部分から順に外していくやり方でも効果は出ます。全部を一度に置き換える必要はありません。
まとめ
広告レポートの自動化で任せられるのは、数値を集める・形式をそろえる・決まった形で並べる、という繰り返しの部分です。増減の理由を読み取り、次の打ち手を決めるところは人の側に残り、媒体の仕様が変われば手直しも発生します。始めるときは、読み手・毎回見ている指標・更新の頻度・そもそも数値が取れているかの4点を確認し、範囲を小さく区切ると維持しやすくなります。作業時間が減った分を数値を見る時間に充てられるかどうかが、続けられるかの分かれ目になります。
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