結論:原因を探す前に「見られていない」か「見られているが動かない」かを分ける
ホームページは何年も前からあるけれど、そこから問い合わせが入ることはほとんどない。こうしたご相談で最初に話題になるのは、たいてい「デザインが古いからでは」「文章が良くないのでは」といった中身の話です。ただ、中身を直しても届く相手がいなければ結果は変わりませんし、逆に人は来ているのに中身が原因なら、いくら露出を増やしても同じところで止まります。
問い合わせの件数は、ざっくり「サイトに来た人の数」×「その中で問い合わせに進んだ人の割合」で決まります。どちらが小さいのかで、直す場所はまったく別になります。まずこの2つのどちらの話なのかを確かめると、当てずっぽうの修正を減らせます。
切り分けの入口:訪問数を見る
アクセス解析を入れている場合は、月あたりの訪問数と、問い合わせフォームまでたどり着いた数を見ます。解析を入れていない場合でも、次の3つは管理画面がなくても確かめられます。
- 検索エンジンで
site:自社ドメインと入力し、自社のページが結果に出てくるか。出てこなければ、検索エンジンにページが登録されていない可能性があります。 - 会社名で検索して、自社サイトが上位に出るか。会社名でも出てこない場合は、露出の前提が整っていません。
- 問い合わせフォームから自分で1件テスト送信し、通知メールが実際に届くか。
ケースA:そもそも見られていない
訪問数が月に数十件程度にとどまる場合、内容を直すより先に、人が来る経路のほうを疑います。
検索で見つかる状態になっていない
会社案内をそのままWebにしたようなサイトは、ページ数が少なく、載っている言葉も「会社概要」「事業内容」といった社内向けの語彙に寄りがちです。検索する人が打ち込む言葉(地域名、困りごと、サービスの一般名称)がページに含まれていないと、検索結果に並ぶ機会自体が生まれません。
検索以外の入口がない
名刺やパンフレット、メールの署名、地図サービスの店舗情報など、サイトの住所を載せられる場所は社外にもあります。Googleビジネスプロフィールのように、検索結果の横に情報が出る仕組みを未設定のままにしている場合もあります。
公開しているだけで、更新が止まっている
数年間ページが増えていないサイトは、検索エンジンから見ても、訪れた人から見ても情報が動いていない状態です。何を更新すればいいか分からない場合は、既存のページの情報を今の実態に合わせるところから始めても構いません。
ケースB:見られているが、問い合わせに進んでもらえない
訪問はあるのに問い合わせが少ない場合、読み手が判断できずに離れている可能性を見ます。
頼めるかどうかが読み取れない
閲覧者が知りたいのは、多くの場合「何をしてくれるのか」「自分の状況で頼めるのか」「どのくらいの規模の話なのか」です。事業内容が抽象的な言葉で書かれていると、当てはまるかどうかの判断がつかず、そこで検討が止まります。
依頼していいのか不安が残る
実績、対応の進め方、担当者の顔ぶれ、問い合わせ後に何が起きるのか。こうした情報が薄いと、送信ボタンを押す手前で迷いが生じます。金額そのものを載せられない場合でも、費用が何で決まるのかという考え方を書いておくと、判断材料にはなります。
問い合わせまでの道のりが長い
問い合わせボタンがページの下のほうにしかない、フォームの入力項目が10を超える、スマートフォンで開くとボタンが押しにくい。こうした細かい摩擦は、実際に自分の携帯電話でサイトを開いてみると気づきやすい部分です。
確認する順番
同時にあれこれ直すと、何が効いたのか分からなくなります。次の順に進めると、原因の切り分けがしやすくなります。
- 受け取れているかを確認:フォームのテスト送信、通知先アドレス、電話番号の表記。
- 訪問数を把握:アクセス解析が未設置なら設置し、数週間分を貯める。並行して
site:検索と社名検索で露出を確認。 - 訪問数が少なければケースA:検索される言葉をページに入れる、入口を増やす、更新を再開する。
- 訪問数はあるのに少なければケースB:頼めるかどうかの判断材料を足し、問い合わせまでの導線を短くする。
なお、直近でサイトを作り直したあとに反響が落ちた場合は、少し事情が違います。URLの変更や計測設定の引き継ぎといった、作り直しに固有の要因を先に確認するほうが早く原因にたどり着けます。
よくある疑問
作り直せば問い合わせは増えますか
原因がどこにあるかによります。露出が足りていない場合、見た目を新しくしても訪問数はそのままです。判断材料が足りない場合は、ページを作り直さずに情報を足すだけで変わることもあります。作り直すかどうかは、原因を確かめたあとで決めても遅くありません。
どのくらいの期間で判断すればいいですか
訪問数の少ないサイトほど、1〜2週間の数値は誤差に埋もれます。月単位で前年や前月と比べる、あるいは数週間分をまとめて見るなど、ある程度の期間で見たほうが実態に近くなります。どのくらい必要かはサイトの訪問規模によって変わります。
制作会社に相談するとき、何を伝えればいいですか
「問い合わせが来ない」だけだと話が広がりすぎます。「月の訪問数はこのくらい」「社名では検索に出るが、サービス名では出ない」「フォームまでは来ているが送信されていない」のように、確認した事実を添えると、調べる範囲が具体的になります。数値の見方が分からない状態でも、その旨を含めて相談して構いません。
まとめ
問い合わせが増えないとき、原因は「来ていない」か「来ているが動いていない」かのどちらかに大きく分かれます。先にどちらなのかを確かめれば、直す場所は自然に絞られます。順番としては、まず問い合わせをきちんと受け取れているかを確認し、次に訪問数を把握する。そのうえでケースAなら入口を、ケースBなら判断材料と導線を見ていく。この手順を踏むと、思いつきで手を入れて振り出しに戻る、という状況を避けやすくなります。
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